【特集記事】『 クラウド時代の専門家支援の価値 』へ投稿

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【特集記事】『 クラウド時代の専門家支援の価値 』へ投稿

一般社団法人 ICT経営パートナーズ協会(URL) メルマガ No.14(2015/02/24)に寄稿しました。

http://bit.ly/1EO0FJt

 

【特集記事】 『 クラウド時代の専門家支援の価値 』

高島利尚、松島桂樹
(クラウドサービス推進機構)

日本経済は、アベノミクスによる景気回復が顕著といわれていますが、中小
企業の多くの経営者は、必ずしも実感できていないというのが偽らざる心境の
ようです。もはや、単に景気に頼るのではなく、また、親会社や大口発注者か
らの受注に依存するビジネスモデルから、市場に積極的に攻めこむべく、自社
の経営戦略を練り直さなければならなくなっていることは間違いありません。
当然ながら、中小企業の経営に真に貢献できる専門家の支援の在り方について
も、考えなおす機会でもあります。

■中小企業の経営環境の変化と「攻めのIT経営」の導入
経営環境は、想定外の連続というほどに激しく変化し、それに適応するべく
「経営革新」への取組みの重要性はますます高まっています。そこでは、経済
産業省が提唱するように、「攻めのIT経営」への取り組みが不可欠です。

中小企業IT経営力大賞の受賞企業・認定企業などの一部のエクセレントカン
パニーはすでに「攻めのIT経営」を実施していますが、多くの中小企業はどの
ように「攻めのIT経営」を実施すればよいのかがわからず、ただ時間だけが過
ぎているのが実態でしょう。

さらに、スマホ・タブレットによるモバイル環境、クラウドサービスの急速
な進展により、ITの利活用のあり方は、大きく変わっています。自社に設置さ
れた機器で業務処理を行う形態から、外部のデータセンタを活用したクラウド
コンピュータに変わりつつあり、その価格、運用のしやすさから、中小企業こ
そ、その効果を享受できるといわれてきました。しかし、中小企業でのクラウ
ド活用は、進んでいないように思えます。ここに大きな問題があります。

今まで多くの領域にIT利活用をしてきた大企業や中堅中小企業であれば、よ
いツールが出てくれば、その経験を活かして、すぐに利用できるに違いありま
せん。しかし、まったく主体的にIT経営を導入してこなかった中小企業では、
経験や知識の蓄積もないため、どんなに安価で優れたツールが提供されても、
その価値を認識できないのです。費用が安いというだけで、中小企業が新しい
ツールを採用できるわけではありません。とりわけ、「攻めのIT経営」は、IT
をビジネスの成果に結びつけることですから、自社の経営課題を把握した上で、
IT戦略を策定しなければ前に進めるはずもありません。

「攻めのIT経営」では、導入方法も見直されるべきです。あらかじめ要求仕様
を決めることがこれまでの先決項目でした。しかし「攻めIT経営」とは、現行
業務を改革し、新しい経営モデル、すなわち、ITを活用して、儲ける仕組みを
つくることです。なにより新しい仕組みが効果的かどうかを早く検証し、早く
修正するという試行錯誤的な開発スピードが問題になるのです。

■「攻めのIT経営クラウド」専門家への期待
「ITを所有する」から「ITを利活用する」クラウド時代に変わった今、あら
ためて中小企業の経営課題をしっかり認識した上で、どのようなIT戦略を立て
るべきか、そして導入後の運用をどのようにしていくべきかを考える重要性は
高まっています。そして、開発すること以上に、日々のビジネスを的確に支援
できるような運営体制も大事になっています。

それらを、中小企業経営者の視線で支援する、ITコーディネータなどの専門
家への重要性はますます高まっています。とりわけ、専門家には、「町医者
的」、つまり診察し適切な処方箋を提示するという具体的な支援が期待されて
います。とりわけ、「攻めのIT経営」に向けた経営革新の視点から、経営環境
に適応するための戦略を、IT利活用の面からも支援していくことが求められて
います。

クラウドの時代になると、ネットショップで商品を購入するように、ネット
だけで情報収集、検討、契約、相談、Q&Aまですべてのやりとりができ、専門
家の役割が不要になるように思われがちです。しかし、中小企業のほとんどの
経営者は、新しい技術をどう経営に活用したらよいかについての相談相手を持
っていないのです。そのため、何を検討し、どう選んだらよいか、悩むに違い
ありません。専門家には、クラウドなどの新しい技術の価値をわかりやすく、
コーチする役割が不可欠なのです。

数多くのクラウドサービスがメディアを通じて配信されています。中小企業
経営者はどれがいいか、どれが自社に役に立つのか、容易には判断が付かない
でしょう。専門家には、どれが安心して使用し、費用対効果によいか、どれが
自分の顧客に適しているかなどへの目利き能力が求められています。

クラウドサービス推進機構は、今年から始める「クラウドサービス認定プロ
グラム」を通じて、中小企業が安心して選べるクラウドサービスを認定し、中
小企業の経営者、そして、相談相手となる専門家の支援活動に役立てる予定で
す。

昨年の「小規模企業支援法」、「産業競争力強化法」、「成長戦略:稼ぐ
力」などの施策に加え、今回の「攻めのIT経営」、「地方創生」など、より複
雑になってきました。中小企業の立場から、うまく活用できるノウハウをもち、
しっかりフォローしてほしいという期待も高まっています。専門家こそ経営者
の真の相談相手になってもらいたいものです。

「攻めのIT経営」の導入にあたって、専門家が果たすべき基本的な役割を3
つ上げてみました。
(1) 経営課題を把握し、IT戦略立案を支援する
(2) 環境変化に適応できるような業務運用を支援する
(3) 各府省庁、自治体等の支援策を理解し、活用できるようにする

そのためには、今まで以上に、最新技術の動静を見極めながら、とりわけ、
経営者の経営課題を、最新技術や支援制度でどう解決できるか、についての学
習が不可欠であることはいうまでもありません。

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